「参考書よりもわかりやすい英文法超入門講座」の第19講です。
英語の動名詞をはじめて学ぶ人にもわかるように、基礎から丁寧に解説します。
また基礎だけではなく英語の動名詞の応用的な知識も身に着けられるようになっています。
この記事の最後には英語の動名詞の練習問題も収録しています。
[目次]この記事のコンテンツ一覧
英語の動名詞を学ぶにあたって
英語の動名詞には不定詞のような複雑さはなく「簡単」な文法項目です。そして動名詞の勉強は単純暗記が中心です。「覚えていればできるけれど、覚えていないとできない」それが動名詞の文法問題の特色です。
詳細は本文で解説しますが、基本的には以下の3つを暗記すればいいだけです(といっても暗記は面倒ですけどね…)。
- 動名詞と不定詞の両方を目的語にとる動詞
- 動名詞だけを目的語にとる動詞
- 動名詞の慣用表現
なるべく例文を多くのせ、暗記しやすいように心がけました。例文を何度も音読するのが効率的に暗記するコツです。
英語の動名詞とは?
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英語の動名詞は「~すること」という意味で、動詞の原形にingをつけた形です。その結果、動詞にもかかわらず名詞の働きをします。そのため、文の主語(S)、目的語(O)、補語(C)になることができます。
(例1)では動詞のsmoke(タバコを吸う)にingを付けて動名詞にしています。そして動名詞のsmokingが文の主語になっています。
英語の動名詞への理解を深めるためにさらに例文を見てみましょう。
playing soccerが「サッカーをすること」という名詞になっています。そしてlikeの目的語にもなっています。
動名詞と名詞との違いは、動名詞は元々動詞なので、(例2)の英文のようにplayingの後にsoccerと目的語をとることができるという点です。そしてplaying soccerで1つの名詞のカタマリになります。
drawing pictures(絵を描くこと)が名詞のカタマリを作り、文中の補語の役割をしています。
英語の動名詞と不定詞との違い
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動名詞と不定詞の意味の違い
My dream is to become a doctor(私の夢は医者になることだ。)というように不定詞は「これからすること」を表します。
一方、動名詞は(例1)のように「していること/していたこと」を表します。
つまり不定詞が未来のイメージで動名詞が過去のイメージです。
例えばforget(忘れる)は目的語に不定詞をとることも動名詞をとることもできますが、不定詞の場合と動名詞の場合ではニュアンスが全く異なります。
(例2)では目的語に動名詞をとっているので「過去に~したことを忘れる」というニュアンスですが、(例3)では「これから~することを忘れる」というイメージですね。
このように不定詞は「未来」のイメージで、動名詞は「過去」のイメージなのです。
動名詞は不定詞とは違い前置詞の目的語になれる
もう1つの不定詞と動名詞の違いは、動名詞は前置詞の目的語になれる点です。
(例2)では、動名詞studying abroadが前置詞aboutの目的語になっています。
動名詞の意味上の主語
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動名詞の意味上の主語を表す場合、myのような所有格か、meのような目的格かのどちらかを用います。
つまりDo you mind my smoking?とDo you mind me smoking?はどちらも同じ意味で正しい英文になります。
ただし、動名詞の意味上の主語が目的格になってもいいのは、その動名詞が文の目的語のときだけです。下記の例文のように動名詞が主語として用いらられる場合は、所有格のみを使うことができます。
Him winning the prize~(×)とするのは間違いです。
動名詞の否定形
【語彙】be accustomed to(~に慣れている/~が習慣になっている)
動名詞を否定する場合はnotやneverを動名詞の直前に置きます。
動名詞の完了形
【語彙】on suspicion of(~の容疑で)
動名詞の完了形はhaving+過去分詞で表します。そして動名詞の完了形は述語動詞よりも前の時を表します。「逮捕された」より以前に「その男を殺した」というわけです。
動名詞の受動態
動名詞の受動態はbeing+過去分詞で表します。
動名詞と不定詞を目的語にとる動詞
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rememberは目的語に動名詞と不定詞の両方をとれますが、動名詞は《過去》のニュアンス、不定詞は《未来》のニュアンスなので、それぞれ意味が違ってきます。
- remember Ving(Vしたことを覚えている)
- remember to V(忘れずにVする)
regretも動名詞と不定詞の両方を目的語にとれる動詞です。意味の違いは以下のようになります。
- regret Ving(Vしたことを後悔する)
- regret to V(残念ながら~する)
regret+to 不定詞で用いられる場合、I regret to say~.(残念ながら~だ)の形で使用されることが多いです。
さて、目的語が動名詞と不定詞で意味が違ってくる動詞で注意すべきはneedです。needは動名詞を目的語にとるときだけ受動的な意味になります。
これだけではわかりにくいと思うので例文を見てみましょう。
この例文をto 不定詞で書き換えるとThose windows need to be cleaned.となります。needの目的語が動名詞のときだけ受動的な意味になるのです。
そのためneed doing=need to be doneとなります。
needと同様に動名詞を目的語にとるとき受動的な意味になる動詞
- need Ving(Vされる必要がある)=[need to be done]
- need to V(Vする必要がある)
- want Ving(Vされる必要がある)=[need Ving]
- want to V(Vしたいと思う)
- deserve Ving(Vされるだけの価値がある)=[deserve to be done]
- deserve to V(Vする価値がある)
その他の動名詞と不定詞の両方を目的語にとる動詞
- try Ving(試しにVしてみる)
- try to V(Vしようとする)
- mean Ving(Vすることを意味する)
- mean to V(Vするつもりである)=[intend to do]
- go on Ving(Vし続ける)
- go on to V(さらに続けてVする)=[proceed to do]
動名詞のみを目的語にとる動詞
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動名詞の基本イメージは「過去」ですが、「していること」も動名詞で表します。ここでは動名詞のみを目的語にとる他動詞を紹介します。
stop(~するのをやめる)は動名詞のみを目的語にとります。
mind(~することを嫌がる)も動名詞のみを目的語にとります。
avoid(~を避ける)も動名詞のみを目的語にとります。ちなみに、try to Vは「Vしようとする」という意味でしたね。
finish(~を終える)も不定詞を目的語にとることはできません。動名詞のみです。ちなみに、この例文は現在完了の結果用法ですね。
put offで「延期する」という意味です。同じ意味の単語にpostpone(延期する)があります。put offもpostponeも目的語にとれるのは動名詞のみです。
動名詞のみを目的語にとるその他の動詞
- give up(~をやめる)
- escape(~を逃れる)
- miss(~し損なう)
- quit(~をやめる)
- deny(~しているのを否定する)
- enjoy(~を楽しむ)
- practice(~を練習する)
- admit(~したことを認める)
- appreciate(~を有難く思う)
- consider(~しようかと考える)=[think of]
- suggest(~しようと提案する)
- imagine(~を想像する)
動名詞の慣用表現
ここからは動名詞の文法問題でよく狙われる英語の動名詞の慣用表現を紹介していきます。慣用表現は定型表現なので基本的には暗記するしかないです。例文を繰り返し音読すると暗記効率がいいでしょう。
have difficulty [trouble] (in) doingで「~するのに苦労する」という慣用表現になります。
【参考例文】You may have trouble finding the thing you are looking for.(あなたは探しているものを見つけるのに苦労するかもしれません。)
spend+O+(in) doingで「doするのに~を費やす」という意味の慣用表現になります。
【語彙】prepare for(~の準備をする)
be busy (in) doingで「~するのに忙しい」という意味の慣用表現です。
There is no doingで「~することはできない」という意味の慣用表現です。
【語彙】persuade(説得する)
It is no use [good] doingで「~しても無駄だ」という意味の慣用表現です。文法問題ではuseとgoodの言い換えが狙われやすいです。It is no use doing=It is no good doing。
There is no point [use/good] (in) doingも「~しても無駄だ」という意味でIt is no use [good] doingと同じ意味の慣用表現です。
be worth doingで「~する価値がある」です。readingの意味上の目的語はThe novelsになります。
feel like doingで「~したい気がする」です。
It goes without saying thatで「~は言うまでもない」です。
【語彙】destination(目的地、行き先)
on doingで「するとすぐに」です。as soon asと同じ意味ですね。on doingとas soon asの書き換え問題は頻出です。
look forward to doing(~するのを楽しみに待つ)は頻出です。センター試験や共通テストでもよく出題されます。
How about doing~?「~してはどうですか」
動名詞の練習問題-8題-
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ここからは英語の動名詞の問題演習です。大学入試の過去問を中心に8題掲載しました。詳しい解説付きです。
1.There is no hope of his( )alive.
①be ②to be ③being ④to being
2.She went out of the room without ( )by anyone present there.
①being noticed ②noticing ③be noticed ④to be noticed
【語彙】present(居合わせて)
3.Did you remember( )all the files on a backup disk?
①to save ②saved ③to saving ④save
4.I remember( )with Tom in the park when he were younger.
①play ②played ③playing ④to play
5.( )communication skills makes your college life more satisfying.
①Development ②Developing ③Develops ④Being developed
6.It was such a nice and touching movie that you shouldn’t miss( )it.
①in seeing ②seeing ③to see ④to have seen
7.I would appreciate( )from you soon.
①hearing ②to hear ③on hearing ④for hearing
8.Sarah’s interests lie in academics, so it’s no( )trying to persuade her to work for our firm.
①meaning ②purpose ③time ④use
【語彙】lie in(~にある)
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