【書評&レビュー】『敏感すぎるあなたへ』

投稿者: | 2020年9月10日

本書では、脳科学にもとづいた全く新しいセルフヘルプ(自分でできる心理療法)を提案しています。著者はドイツの臨床心理士で、主なターゲットは「不安で悩んでいる人」です。不安は後天的に習得されたものであり、たとえ、何年もネガティブな思考をしてしまう癖が染みついていても、テンセンテンス法というメンタルトレーニングで、短期間で脳をプログラムし直すことができるとしています。

同書では、テンセンテンス法以外にも様々な不安症の対処法を提案していますが、この書評では、テンセンテンス法に焦点をあてていきたいと思います。多くの心理療法を学んできた筆者の視点から見て、最も注目に値すると考えたからです。

テンセンテンス法とは、「あなたにとって本当に素晴らしい人生とはどういうものですか?」という問いかけに10のセンテンス(文)で答える方法のことです。このとき、10のセンテンスは、例えば、「素敵なパートナーに恵まれていて毎日が楽しい」のように、あたかも既に実現しているかのように、現在形で書きます。また、「否定を含まない」、「すべてをポジティブに」、「具体的に」、「自力で到達できる」というルールもあります。

10のセンテンスを書き出したら、最低でも1日20分、3週間かけて、5つのチャネル法を用いてトレーニングします。この「5つのチャネル法を用いる」という点がテンセンテンス法の凄いところです。

5つのチャネル法とは、見る、聞く、感じる、匂う、味わう-つまり五感を使って、10のセンテンスのそれぞれをイメージする技法です。

こうして、長年にわたって、染みついてきた不安を呼び起こすネガティブな思考回路を科学的に書き換えるのがテンセンテンス法という方法です。このテクニックが最新の脳研究にもとづいているという点が信ぴょう性があって素敵だと思います。科学的裏付けは効果を保証するものだからです。

その上で著者、クラウス・ベルンハルトは以下のように本書を締めくくります。

あなたは憧れの人生を生きるために健康になるのではありません。憧れの人生に向かって一歩を踏み出せば、健康になるのです!

出典:クラウス・ベルンハルト著、『敏感すぎるあなたへ』p202

 

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