現金過不足の仕訳

投稿者: | 2020年8月17日

現金過不足とは

帳簿残高実際有高(じっさいありだか)が一致しないことを現金過不足といいます。帳簿残高とは帳簿上の記録のことです。一方、実際有高とは実際の現金金額のことです。

ちょうど、お小遣い帳の記載と、お財布の中身がズレているような状況ですね。

例えば帳簿上は現金が100円あるはずなのに、金庫を調べてみると90円しかなかった。という場合が現金過不足です。逆に帳簿上は現金90円のはずなのに、実際には現金が100円ある。というケースも考えられます。

現金過不足の処理方法

現金残高と実際有高に不一致がでたときは、帳簿上の現金(資産)を調整します。実際有高は調整のしようがないからです。

例えばお小遣い帳に現金100円と書いてあるにもかかわらず、財布には80円しかないときは、お小遣い帳の現金残高を20円減らします(お小遣い帳よりも財布の中身の方が多い場合は当然、お小遣い帳の現金残高を増やします)。

帳簿上の現金を増減させるには

例えば、帳簿上の現金(資産)の方が実際有高よりも多い場合を考えてみます。現金は資産のグループなので、貸方(右側)に記入すれば、帳簿上の現金残高を減らすことができます。この際、相手科目には、現金過不足という勘定科目を用います。

逆に帳簿上の現金残高を増やしたい場合は、借方に現金勘定で仕訳すれば、帳簿上の現金残高を増やすことができます。もちろんこのときの相手科目も、現金過不足です。

抽象的な説明では分かりにくいですよね。しっかりと現金過不足の処理を理解するために、以下で具体例を見てみましょう。

帳簿残高の方が実際有高よりも多い場合の仕訳

取引例:

現金の帳簿残高は100円であった。しかし実際有高は90円であった。

帳簿上の現金残高を10円減らせば、実際有高との不一致を解消することができますね。資産の減少は、貸方に仕訳します。そのため現金(資産)を減らすには、以下のように仕訳します。

借方 貸方
??? (現金)10

現金過不足の処理では、帳簿上の現金残高を調整し、その相手科目は現金過不足という勘定科目を用いるため、この例題の仕訳は以下のようになります。

借方 貸方
(現金過不足)10 (現金)10

これで帳簿上の現金残高は90円になり、現金過不足は解消されました。

帳簿残高の方が実際有高よりも少ないときの仕訳

取引例:

現金の帳簿残高は80円であった。しかし実際有高は100円であった。

帳簿上の現金残高を20円増やせばOKですね。そのためには、資産の増加は借方ですから、現金20円分を借方に仕訳します。もちろん相手科目は現金過不足です。

借方 貸方
(現金)20 (現金過不足)20

原因が分かったときの仕訳

帳簿残高と実際有高の不一致の原因が後日判明したときは、原因が判明した分の現金過不足を減らし、正確な勘定科目に振り替えます。

不足の場合の仕訳

取引例:

現金の帳簿残高は120円であった。しかし実際有高は100円であった。このとき以下のような仕訳を行った。

借方 貸方
(現金過不足)20 (現金)20

後日、20円の不足のうち10円は通信費の計上漏れであることが分かった。

①まず、通信費が発生しています。費用の発生は借方に仕訳します。

借方 貸方
(通信費)10 ???

②続いて、現金過不足を10円分減らさなくてはいけません。原因判明前の仕訳では、現金過不足を借方に20円計上していました。これを10円分相殺するには、貸方に判明した分の現金過不足を記入します。

借方 貸方
(通信費)10 (現金過不足)10

つまり借方に現金過不足を計上している場合、その逆の借方に現金過不足を記入すれば、必要な分、現金過不足を減らすことができるというわけですね。

過剰の場合の仕訳

取引例:

現金の帳簿残高は100円であった。しかし実際有高は150円であった。このとき以下のような仕訳を行った。

借方 貸方
(現金)50 (現金過不足)50

後日、50円の過剰のうち30円は売掛金の回収の記入漏れであることが分かった。

まず、売掛金(資産)が30円減っています(売掛金を回収すれば売掛金は減りますよね)。続いて、先日、貸方に計上した現金過不足50円を30円分相殺して減らします。そのためには、現金過不足を借方に記入します。

借方 貸方
(現金過不足)30 (売掛金)30

つまり、現金過不足を貸方に計上していた場合、その逆の、借方に仕訳すれば、現金過不足を減らすことができるというわけですね。

現金過不足の原因が決算日まで分からなかったときの仕訳

現金過不足はあくまで一時的に用いる勘定科目です。そのため、決算日になっても、現金過不足の原因が不明なままの場合、雑損(費用)または雑益(収益)として処理します。

例えば、決算日において、借方に現金過不足が10円残っている場合、以下のように仕訳します。

借方 貸方
(雑損)10 (現金過不足)10

一方、同じく決算日において、貸方に現金過不足が10円残っている場合、以下のように仕訳します。

借方 貸方
(現金過不足)10 (雑益)10

 

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