臨床心理学に基づいた、相談に乗るコツを解説します。励ましやアドバイスはあまり役に立ちません。大切なのは聞くこと、そして共感することです。答えは相談者の中にこそあります。
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原則1、「がんばれ」は役に立たない
がんばれー!と励ますことは、逆効果です。本人はすでに必死にがんばっているのですから。
例えば「上司とうまくいかない」と相談されたとき、「根性でなんとかするんだ!」って言われてもマイナスにしかなりませんよね
特に相手が落ち込んでいるときほど「がんばれ」は禁物です。
原則2、相談ではアドバイスはあまり役立たない
原則として、相談事では、「アドバイス」はあまり役に立ちません。
悩み相談には”心理的側面”が強いからです。
もちろん、「~のやり方が分からない」といった相談内容であれば、アドバイスも効果的です。しかし、例えば、「恋人と別れた方がいいかな?」といった内容の場合、アドバイスは十中八九、逆効果です。
原則3、「~すべき」を相手に押し売りしない
誰しも「~すべき」、「~しなければならない」を自分の内に持っています。これを「べき思考」といいます。べき思考で自分自身を縛るのも良くないですが、これを他人に押し付けると、相手との関係が悪い方へいってしまうので要注意です。
悪い例としては、「結婚しようかどうか迷っている」という相談に対して、「結婚すべきだよ!」と自分の価値観を相手に押し付けてしまうという例が挙げられます。
「~すべき」、「~しなければならない」を相談者に押し売りしても逆効果になるばかりです。
原則4、相談しやすい雰囲気をつくる
なるべく穏やかで、やさしげな雰囲気の中で、相談に乗るようにしましょう。そうしないと、相手が緊張してしまい、うまく悩み相談をできないからです。
原則5、話すことは放すこと
上手に相談に乗るポイントは、言う2割、聞く8割です。一生懸命に相手の話を聞きます。相手は話を聞いてもらっているうちに、だんだんとこころの整理がつくからです。
話すことは、モヤモヤした気持ちを手放すことになるのです。
大事なのは、話すことではなく、真剣に相手の話に耳を傾けることなのです。
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原則6、共感
悩み事を丁寧に聞いてもらうことに加えて、相手に共感してもらえると、相談者は「受け入れられた」と感じ気持ちが楽になります。
共感的対応の例
Aさん:「上司とあわなくて、出社拒否にでもなりそうだよ」
Bさん:「それはしんどいね、毎日顔をあわすわけだから辛いよね」
このように、共感的に接するには、相手の置かれている状況を想像して、相談者の感情に寄り添います。
原則7、相談者の回復
真剣に相手の話に耳を傾け、十分に共感的な態度で接すれば、相手は自分で勝手に助かります。つまり「相談に乗る」とは、相手が自力で助かるための、手助けをすることなのです。答えは相手の中にこそあるのです。
原則8、相談に乗る際のとっておきの秘訣
相談に乗ることの秘訣は、「忍耐強く相手のことを心配し続けること」です。これはイギリスの名医の言葉です。
まとめ
相手の言っている内容を聞く際、良い悪いで考えず、まずは全面的に受け入れることがポイントです。そうして、先ずは相手を安心させることが相談に乗る上でとても大切なことです。
その上で、相談に来た人が、こころの整理整頓をしたり、自分の中にある答えを自ら発見する手助けをします。
そうした態度で接すれば、「相談に乗った甲斐があった!」と思えるような、結果につながる可能性はグンと高まります。
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