アーロン・T・ベックと認知行動療法の歴史

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アーロン・T・ベックとは

精神科医になるまで

もともとベックは外交的で活発な子供であったが8歳の頃に重い病気を患い、それがきっかけで、勉強好きの内省的な的な子供になった。そうした経験からか、ベックは医学にかかわる一切のことを恐れるようになった。イェール大学卒業後は、そうした医学恐怖症を克服するため、医学の専門的なトレーニングを受けた。その後、ロードアイランド病院に勤務した後、1953年には精神科医の資格を取得することとなる。

精神分析との決別

1950年代~1960年代前半にかけて、ベックは精神分析の中でもうつ病との関りが深い概念を実証しようとした。その結果、精神分析的なうつ病をめぐる概念は妥当なものではないと結論づけた。

認知療法の発明

このような経緯から、精神科臨床において、フロイトに端を発する精神分析的アプローチの限界を痛感したベックは、思考錯誤の末、独自に、新たな精神療法を確立した。それが、認知療法(Cognitive Therapy)である。

認知療法の構築にあたって、ベックは以下に挙げる人物の理論的影響を強く受けた。

  • エピクテトス(古代ギリシアの哲学者。苦難の中にあって平静を保つこと等を説いた)
  • カレン・ホーナイ(親フロイト派の精神分析家、精神科医)
  • アルフレッド・アドラー(オーストリア出身の精神科医、個人心理学の創始者)
  • ジョージ・ケリー
  • アルバート・エリス(論理療法の創始者。認知療法に大きな影響を与えた)
  • リチャード・ラザルス(アメリカの心理学者でストレス学の権威)
  • アルバート・バンデューラ(カナダ人の心理学者。自己効力感や社会的学習理論を提唱した)

このようにして誕生した認知療法と従来の行動主義的心理学が融合し、今日の認知行動療法が誕生した。

関連用語

  • 認知心理学とは何か

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