入門!簿記の解説【9】商品売買④「諸掛りの仕訳」


簿記入門

まえがき

こんにちは!鹿丸です。前回の入門!簿記の解説【8】では、「返品/値引き」の逆仕訳について勉強しました。いよいよ今回学習する諸掛り(しょがかり)で、大テーマ「商品売買」が終わります。少し気が早いですが、次の大テーマは「現金預金」です。ささっと、「諸掛り」を終わらせて、「現金預金」に突入していければと思います。

尚、今回の入門!簿記の解説【9】で、簿記学習の基礎中の基礎は卒業です。本解説が一つの節目になりますので、これまで学習してきた分野で不明瞭な部分や曖昧な点があれば復習されると学習効果が高まるかと存じます。

以下にこれまでの簿記の解説の一覧と、解説内容の要約を記載いたしますので、必要に応じてご利用下さいませ。

また、解説を読んでも分からい点があれば、免責事項にご了承頂きました上で、メール質問をご活用いただけますと幸いでございます。

 

[PR]Amazon簿記に関するベストセラー本↓↓↓

諸掛り(しょがかり)とは

諸掛り(しょがかり)って聞きなれない用語ですよね。簿記特有の表現ですね。

「諸掛り」とは商品を仕入れたり売り上げたりする際にかかる、商品原価以外の雑費のようなものです。例えば、運賃は諸掛りの代表的な例です。商品を仕入れる際や売り上げる際に、郵送を利用すると、運賃が発生しますよね。

私達個人がヤフオク!やAmazon等を利用する際に、商品の発送費用が発生するのと同じことです。

その他の諸掛りの具体例としては、「関税」等があります。関税とは国際取引において商品が国境を通過するタイミングでかかる税金のことです。輸出や輸入をする場合に発生します。

商品を仕入れる際に発生した商品原価以外の雑多な費用を仕入諸掛り(しいれしょがかり)といいます。また商品を売り上げる際にかかった運賃などの費用を売上諸掛り(うりあげしょがかり)といいます。

また、これもヤフオク!やAmazonを利用するときをイメージして欲しいのですが、仕入諸掛りと売上諸掛りを誰が負担するのかによって、勘定科目が異なります。ヤフオク!やAmazonでも、売り手が送料を負担してくれる場合と、買い手が送料を負担しなければならない場合がありますよね?

それと同じで、仕入諸掛りや売上諸掛りでも、当店(自分)が負担する場合と、取引先が負担する場合があるのです。

仕入諸掛りを当店(自分)が負担する場合の仕訳

商品を仕入れたとき、当店(自社)で諸掛りを負担する場合は、仕入(費用)の金額に含めて仕訳処理します。例えば、仕入れにおいて、商品の送料を自社で負担する場合は、送料も仕入原価の一部として扱うのです。

それでは、貸借対照表と損益計算書を眺めながら、実際に仕訳してみましょう。

貸借対照表

損益計算書

 

取引:ポンポコ商事はハト商会から商品30円を仕入れ、代金は掛けとした。尚、取引運賃10円は現金で支払った

 

仕入(費用)の計算がポイントです。自社で仕入諸掛りを負担する場合は、諸掛りも仕入(費用)の金額に含めて処理するのでした。従って、仕入(費用)の金額は40円(商品原価30円+仕入諸掛り10円)になります。尚、仕入は費用の増加にあたるので、借方(左)ですね。

また買掛金(負債)が30円増加して、現金(資産)は10円減少しているので、買掛金(負債)と現金(資産)は、どちらも貸方(右)になりますね。

従って、この取引の仕訳は以下のようになります。

借方(左) 金額 貸方(右) 金額
仕入 40 買掛金 30
現金 10

売上諸掛りを自社で負担する場合の仕訳

仕入諸掛りの場合、自社負担だと、仕入(費用)に送料などを含めるのに対して、自社負担の売上諸掛りの場合は、発送費(費用)という勘定科目を使って処理します

 

取引:ポンポコ商事はハト商会に商品70円を売り上げ、代金は掛けとした。売り上げに伴って発生した発送運賃10円はポンポコ商事が現金で支払った

発送運賃10円は発送費(費用)の増加として処理する点に注意して仕訳すると以下のようになります。

借方(左) 金額 貸方(右) 金額
 売掛金 70 売上 70
 発送費 10 現金 10

※【ワンポイント復習】売掛金は「後でお金を貰える権利」なので資産のグループです。掛け取引の解説は入門!簿記の解説【7】を参照のこと。

他社負担の「仕入諸掛り」または「売上諸掛り」を自社で立て替えた場合

仕入先(他社)や得意先(他社)が負担すべき送料を自社で立て替えて場合の諸掛りは立替金(資産)または売掛金(資産)で仕訳処理します

こう説明すると、「立替金(資産)と売掛金(資産)のどっちの勘定科目で仕訳していいか、わかんないじゃないか!」と怒られてしまいそうです。

でも安心して下さい。日商簿記3級の試験では、回答に用いる勘定科目は必ず指定されるので、その指示に従えばいいだけです。

それでは実際に例題を仕訳して慣れていきましょう!

取引:ポンポコ商事から商品80円を仕入れ、その代金は掛けとした。なお、運賃10円を現金で立て替え払いした。

仕入(費用)⇒増加。買掛金(負債)⇒増加。現金(資産)⇒減少。立替金(資産)⇒増加。なので、この取引を仕訳すると以下のようになります。

借方(左) 金額 貸方(右) 金額
仕入 80 買掛金 80
立替金 10 現金 10

 

取引:ポンポコ商事はハト商会から商品40円を仕入れ、代金は掛けとした。また、ハト紹介が負担すべき運賃10円を現金で立替払いした。

この例題はもはや解説不要でしょう。回答だけ示します。

借方(左) 金額 貸方(右) 金額
仕入 40 買掛金 40
立替金 10 現金 10

 

取引:ポンポコ商事はカモメ商会に商品70円を売り上げ、代金は掛けとした。また、カモメ商会が負担すべき運賃10円を現金で立替払いした。尚、立て替えた運賃は売掛金に含めて処理するものとする

と、こんな風に試験でも、立替金(資産)を使うべきか、売掛金(資産)を使うべきかちゃんと指示があるので安心して仕訳して下さいね。

「立て替えた運賃は売掛金に含めて処理をするものとする」となっているので、売掛金は70円ではなく、運賃の立替分10円を加算して80円ですね。

借方(左) 金額 貸方(右) 金額
売掛金 80 売上 70
現金 10

これで諸掛り(しょがかり)の仕訳についての解説は終わりです。ここまで読んで頂き、ありがとうございます。

おわりに

やっと、「商品売買」を終えることができましたね!お疲れさまです!入門!簿記の解説【6】~入門!簿記の解説【9】まで4記事にわたって商品売買を説明して参りました。いよいよ次回からは「現金預金」にはいります。

例え、どんなややこしいのが出てきても、超分かりやすく解説するので、引き続き「挫折しらず!簿記が面白いほど分かるサイト」を宜しくお願いいたします。

【この記事に関連するブログ記事を読みたい】

【その他のおすすめ記事】

>>>次の簿記の解説を読む

>>>トップページへ戻る

>>>前回の簿記の解説(返品と値引きの仕訳)を復習する

[PR]「簿記」に関するAmazonベストセラー書籍↓↓↓