入門!簿記の解説【11】現金預金②「現金過不足」


はじめに

こんにちは!鹿丸です。現金預金の2回目ですね。今回は現金に過不足が生じた場合の仕訳から解説をはじめたいと思います。

現金過不足が生じた場合の基本的な考え方

そもそも現金過不足とは、現金の帳簿上の残高と、実際の現金の金額が合わないことをいいます。そこで、現金の帳簿残高が実際の現金の金額になるように、帳簿上の現金を調整します。

帳簿と実際の現金の金額が合わないわけですから、帳簿上の現金を増やしたり、減らしたりします。このとき、現金勘定の相手科目は、現金過不足という勘定科目にします。

尚、現金過不足はちょっと特殊な勘定科目で、簿記の5要素(資産、負債、純資産、収益、費用)のいずれにも属しません。

簿記の5要素に分類できないのであれば、現金過不足は「借方(左)に仕訳すればいいのか、貸方(右)に仕訳すればいいのかわからないじゃないか」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、帳簿上の現金残高が不足していれば現金(資産)を増やし、帳簿残高の方が実際有高(実際の現金残高のこと)より多ければ、現金(資産)を増やします。なので、必ず借方(左)か貸方(右)に現金勘定がきます。

後は、借方(左)に現金勘定がくれば、貸方(右)に「現金過不足」を機械的に記入し、逆に、貸方(右)に現金勘定がくれば、借方(左)に「現金過不足」を機械的に挿入してあげればいいだけです。

現金過不足の場合の仕訳のポイントは簡単です。現金有高(実際の現金残高)に帳簿残高を合わせるようにすればいいのです。

ちなみに現金有高(げんきんありだか)と読みます。

現金過不足の仕訳

取引:現金の帳簿残高は70円であった。しかし、実際有高は50円であった。

帳簿残高を実際有高に合わせるには、現金(資産)を20円分減らせばいいですね。資産の減少なので、現金は貸方(右)にきますね。相手科目はもちろん現金過不足です。

借方(左) 金額 貸方(右) 金額
現金過不足 20 現金 20

取引:現金の帳簿残高は50円であった。しかし現金有高は80円であった。

帳簿残高を現金有高に合わせるには、帳簿残高を増やせばいいですね。帳簿残高は30円の不足です。

借方(左) 金額 貸方(右) 金額
現金 30 現金過不足 30

現金過不足の原因が分かったときの仕訳処理

まず覚えておきたいのは、いったん仕訳帳に記入した現金過不足を減らす方法です。つまり過去に記録した現金過不足をキャンセルする手順です。

具体的には、借方(左)に現金過不足が計上されている場合は、貸方(右)に現金過不足を新たに計上すれば、いったん記録した現金過不足を減らすことができます。また逆も同じです。つまり、過去に借方(左)に現金過不足が計上されていれば、反対の貸方(右)に現金過不足を計上すれば、いったん記帳した現金過不足を減らすことになります。

ちなみに借方(左)に現金過不足を計上しているということは、過去に、貸方(右)に現金が計上されていたということですよね。現金は資産ですから、それを貸方(右)に記入するということは、過去に帳簿残高の方が実際有高より多かったので、帳簿上の現金を減らしたということがわかりますね。

今度は逆に、過去において貸方(右)に現金過不足が計上されていたら、帳簿残高より実際有高の方が多かったので、現金勘定を借方(左)に計上しているということが分かります。帳簿上の現金残高を増やしているわけですね。

さて、現金過不足の減らし方が分かったところで、具体的な仕訳処理の手順をご説明します。

過去に現金過不足で仕訳処理した取引の、帳簿残高と現金有高が食い違っていた原因が分かった場合、現金過不足を減らした上で、相手科目に、該当する勘定科目を計上します。この処理を「振り替え」といいます

取引:現金の不足額10円を現金過不足勘定の借方に計上していたが、このうち5円は広告宣伝費の記入漏れであることが判明した。

借方(左)に現金過不足があるので、それを5円分減らします。減らすには、貸方(右)に現金過不足を計上します。そして相手科目は広告宣伝費になります。

借方(左) 金額 貸方(右) 金額
広告宣伝費 現金過不足

取引:現金の過剰額10円を現金過不足勘定の貸方(右)に記入していたが、このうち5円は売上であることが分かった。

借方(左) 金額 貸方(右) 金額
現金過不足 売上

さっきのと逆のパターンですね。借方(左)に現金過不足を計上して、貸方(右)に売上を計上すれば、うまく調整できますね。

おわりに

今回は現金過不足の仕訳処理について学習しました。次回は当座預金から解説したいと思います。

 

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