やる気が出ない原因と心理学よって劇的に「やる気を出す」10の方法


まえがき

「どうも仕事のモチベーションが低い」、「勉強しなきゃいけないけれどもなかなかやる気が出ない」、「ついつい皿洗いや洗濯を後回しにしてしまう」といった症状で困っていませんか?

そして、しまいには「自分は意志が弱い」、「自分は怠け者だ」、「自分には努力ができない。努力できることも才能なんだ」と考え、セルフコントロールの問題で悩んでいませんか?

しかし、意志が弱いとか努力が苦手といった考えは単なる思い込みにすぎないのです。

この記事でご紹介する心理学的に実証されていて劇的な効果が期待できる「10個のやる気を出す方法」を習得すれば、そうした「やる気」に関する悩みが驚くほど改善されるでしょう。

筆者がやる気の心理学について10年以上、何十冊という本を読んで、研究した結果を、分かりやすくご説明いたします。

まずは「やる気が出ない原因」から見ていきましょう。何がやる気を邪魔しているのかが分かれば対策が見えてきますからね。

やる気が出ない原因

やる気が出ない一番の原因は間違った心の扱い方にあります。言い換えれば、やる気が出ないのは心理学の知識が不足しているからです。

例えば、大学受験や資格試験の勉強をしているとしましょう。このとき「1日2時間は勉強しよう」と考えるのと、「1日5時間は勉強しよう」と考えるのとでは、どちらがやる気アップにつながるでしょうか。詳細は「やる気を出す方法⑦」で解説しますが、前者の「1日2時間は勉強しよう」という考えの方が、遥かにやる気を高く保てるのです。

このような自分自身の心の扱い方の「間違い」が、あなたからやる気を奪っているのです。従って、正しい心理学の知識を身に付ければ、意志が弱いとか努力ができないといった、やる気に関する悩みを解決することができます。

以下、10個の強力なテクニックをご紹介します。気に入ったもの、使いやすいものから、実際に試してみて下さい。きっと、おおいに参考になると思います。

やる気を出す方法①行動が先、意欲は後

やる気についてのよくある心理学的な間違いは「意欲が出るまでじっと待つ」という考えです。意欲が出るから行動するのではありません。行動するから意欲が出るのです。

その証拠に、例えば「今日は仕事や学校に行きたくない、ダルい」と感じていても、電車に揺られ、職場や学校に着いた頃には、朝に比べて、だいぶ意欲が高まっていますよね。あるいは、「お風呂に入るのがめんどうくさい」と感じていても、服を脱ぎ、シャワーを浴び始めると、だんだんやる気が出てきて、結果的に長風呂になったりします。

このように、行動が先で、意欲は後からついてくるものなのです。「意欲が出たらやろう」と考えて、やる気が出るのをじっと待っていても、永遠にやる気はでません。

ちなみに、行動をしているうちに、だんだん意欲が高まってくる現象を心理学用語で「作業興奮」と言います。

「そんなこと言ったって、ひどく無気力なんだから、その最初の行動ができないのだ!」という声が聞こえてきそうですね。

そこで、下記では最初の一歩を踏み出す方法をご紹介します。

やる気を出す方法②「できること」を使って最初の一歩を踏み出す

やる気が出ない原因は「何もしないこと」でした。行動すればするほど、どんどんやる気が出てきます。そのためには最初の一歩を踏み出す必要があります。

「できること」で自分を活性化させる

最初の一歩を踏み出すには「できること」をすればいいのです。

例えば、「全く勉強をする気がしない」と考え、ベッドに寝転がって、ダラダラとスマホをいじっているとしましょう。このとき、あまりにやる気が出ず、「勉強をする」という行動をするのがとても難しいとします。でも、そういう状況でも「できること」って幾つかありますよね。

例えば以下のようなことならできるのではないでしょうか。

  • とりあえずシャワーを浴びる。
  • 本棚や机の整理整頓をする。
  • 今日の勉強内容について計画を立てる。

このような、すごく無気力な状態でも実行できる行動をすることで、自分自身を活性化すれば良いのです。火起こしをする際に、最初、小さな火を起こして、だんだんと大きな炎にするのと同じイメージです。

簡単なことが先!難しいことは後回し!

もう1つの最初の一歩を踏み出す方法は難しいことは後回しにして、簡単なことから手を付けることです。

例えば数学の勉強であれば、簡単な問題を解くところからはじめ、十分に意欲が出てきたら、難しい問題に取り組めばいいのです。

このように、できことで自分自身を活性化する。始めは簡単なタスクに取り組み、徐々に難しいタスクに移行していく。といった方法を使えば、だいぶ行動を起こしやすくなります。

やる気を出す方法③タスクを小分けにする

25mの崖を登ることはものすごく難しいのに、階段を使って25mの高さに到達することは誰でもできます。やる気がでないときは、階段のように、タスクを小分けにするだけで、簡単にやる気が出ることもあります。

タスクを小分けにする方法は2つあります。

1つ目は時間で小分けにする方法です。例えば30分やったら休憩し、また30分やるといった具合です。

2つ目は作業を小分けにする方法です。例えば部屋の掃除であれば、①床に散らばった物を片付ける、②掃除機をかける、③棚の整理をする…というイメージです。

タスクを小分けにするするメリットはもう1つあります。それは「成功体験」を簡単に味わえることです。2時間、作業しようとして、挫折すれば失敗体験になってしまいますが、30分作業しようとして、達成すれば成功体験になります。

簡単なタスク⇒達成⇒簡単なタスク…というサイクルを作れば、作業の満足感も増え、生産性が高まります。

やる気を出す方法④結果ではなくプロセスを評価する

結果は必ずしもコントロールできませんが、プロセスはコントロールできます。結果のような「コントロールできないこと」を基準に評価すると、いつも一喜一憂することになり、最終的にはやる気を奪います。

例えば、営業の仕事であれば、新規契約を10件獲得することを目指すのではなく、1日50件テレアポをすることを目標にします。

やる気を出す方法⑤「~するべき」を捨てる

「~するべき」、「~しなければならない」といった考えは、心理学の研究によりやる気を奪うことが分かっています。こうしたべき思考は仕事や勉強を「とても耐えられないつまらないもの」に変えてしまうのです。

なぜかというと、べき思考は自分を責め、いたずらに自らにプレッシャーをかけるからです。

例えば、あなたが、友人に「君はこの映画を絶対に見るべきだ!いや、見なければならない!」と言われると、正直、その映画を見ようとは思いませんよね。これは自分と自分自身との関係でも全く同じです。あなたが、ご自身に「~すべきだ!~しなければならない!」と言えば、言うほど、自分で自分のやる気を妨害してしまいます。

しかも、例えば、べき思考で「どんなに疲れていても帰宅したら資格の勉強を2時間しなければならない」と考え、それに失敗した場合、「自分はなんてダメなんだ!」と自分を責めることで、辛い気分になり、やる気も低下します。逆に、「帰宅後に資格の勉強をしてもいいし。しなくてもいい」と考えれば、勉強ができた日は達成感を得られますし、何もできなかった日も特に罪悪感を感じすに済みますよね。

このように、べき思考は役に立たないどころか、「百害あって一利なし」なのです!

しかし、こうした心理学的事実があるにもかかわらず、多くの人は、べき思考で自分自身を縛ることが役立つと誤解しています。例えば、「早慶以上の大学に合格しなくてはならない!」、「英語をしゃべるようになるべきだ!」、「もっと仕事の成果を挙げなければならない!」といった具合です。

では、このなんの役にも立たない、べき思考にどうやったら対抗できるでしょうか。べき思考は、自分が勝手に作ったルールなので、自分で変えることも可能なはずです。以下ではべき思考に対処するテクニックを3つご紹介します。

べき思考対処するテクニック①自問自答法

べき思考への対処法として、アメリカの臨床心理学者、アルバート・エリスが提唱した方法は簡単で効果的です。以下のように自問自答します。

「いったい誰がやらなければならないと言ったのか?どこにそんなことが書いてあるのか?」

この問いを自分に投げかけることは、いかに自分が自分自身を論理的な根拠のないルールで縛り上げているのかを自覚するのに効果的です。

べき思考対処テクニック②「~したい」変換法

いま現在、ご自身が抱えていて、あなたのやる気を大きく奪っているべき思考を1つ書き出します。手書きでもPCでもスマホでも構わないので、「書き出すこと」が重要です。

例えば、筆者自身の例を挙げると、「毎日、外に出て運動しなければならない」と考え、その考えによって運動するモチベーションが低下しています。

上記のようにべき思考を書き出したら、「~すべき」を「~したい」とか「~できたら素敵だ」といった言葉で書き換え、さらに、「このことは、してもしなくてもいい!」と付け加えます。

この例であれば「毎日、外に出て運動ができたら素敵だ。このことは、しても、しなくてもいい!」と書き換えます。

べき思考対処テクニック③メリット/デメリット法

3つ目のべき思考対処テクニックは、「そのべき思考のメリット/デメリットは何か?」、「そのべき思考を信じることにどんな価値があるだろうか?」と自問し、答えを実際に書き出します。このテクニックでも「書き出すこと」が肝心です。

やる気を出す方法⑥自分を脅迫することをやめる

やる気が出ず、なかなか作業に取り組めないときに、「~をしないとこんな悪いことがあるぞ!」と自分を脅迫するのは逆効果です。こうした恐怖戦略はただやる気を奪うだけで、なんの意味もありません。罰ではなく報酬で自分を動かす方が遥かに効果的です。

例えば、あなたの先生や上司に「テストで結果を出さないと大量に宿題を出すぞ!」、「仕事で成果を出さないと給料を下げるぞ!」と脅されるよりも、「テストで良い点をとったら焼肉に連れていこう!」、「仕事で成果を出したら出世させよう!」と報酬を用意された方がやる気がでますよね。これは、あなたと、あなた自身の関係でも全く同じことです。

恐怖戦略はやる気を損なうだけで、なんの役にも立たないのです!

脅迫ではなくメリットで自分を動かす

テスト前に「今勉強をがんばらないと酷い点数を取るぞ!」と自分を脅す代わりに、「今勉強をすることは自分にどんなメリットがあるか?」と考えるようにします。すると例えば、「良い成績がとれて気分が良い」、「自分に自信が持てる」、「なんであれ勉強することは人生を豊かにする」といったメリットが思い浮かびますよね。そうすれば、「そうしたメリットを得たいから勉強したい」という風に、罰ではなく報酬で自分自身を動機付けることができます。

やる気を出す方法⑦要求水準を下げる

自分への要求水準を下げる方が現実を理想に近づけるよりずっと簡単です。

要求水準を下げることは、「自分の成長を妨げる」ものと考えがちですが、事実は逆です。要求水準を下げる方が2倍、3倍と成長速度が高まり、仕事や勉強の能率も上がるのです。

極端な場合を考えてみて下さい。「テストで100満点以外は99点でも0点と同じ」と考えたら人生が惨めなものになりませんか?もしこう考える人が身近にいたら、もっと要求水準を下げて、せめて70点以上取ればOKと考えればいいのに。と思いませんか?

また、要求水準を下げればフラストレーションが減り、結果的にやる気が改善されます。

例えば、冒頭でもご紹介しましたが「1日5時間勉強しよう!」と意気込むよりも、「1日2時間勉強しよう」と考える方が結果的にトータルの勉強時間は増加します。

やる気を出す方法⑧実行しなくてもいいお気軽計画法

行動計画を立てることは意欲の改善に役立ちます。計画を立てる際のポイントは「実行しても、しなくてもいい、お気軽計画」にすることです。つまり、いつでも罪悪感無しにサボっていい計画を立てるのです。

計画はとても役立つものなのに、「必ず実行しなくてはいけない計画」を立ててしまうと、「~しなければならない」というプレッシャーがやる気を奪うだけでなく、計画を実行できなかったときに、「なんて自分は怠け者なんだ!」と自分を責めるので、さらにやる気が無くなってしまいます。

やる気を出す方法⑨リラックスする

不安や緊張はやる気を奪います。リラックスしている状態の方が集中力も高まり、やる気も出るのです。

そこでリラクゼーション法を2つご紹介します。

①ゆっくり息を吐く

3分間、ゆっくり息を吐くようにします。息を吸う速度は特に重要ではありません。苦しくない程度にゆっくり息を吐くようにするとリラクゼーション効果が得られるだけではなく、やる気も高まることが分かっています。

②心地よい情景を想像する

広い海や草原など心地よい情景をなるべくリアルに想像するようにします。

やる気を出す方法⑩意志力は有限なので使い切ったら休む

意志力は有限なので、ひどく疲れているときは、やる気が大幅に低下します。そういう場合は、眠るのが一番です。そうして休憩を取ればやる気は回復します。

まとめ

やる気を出す方法として以下の10項目をご紹介しました。自分自身をコントロールできないという考えは単なる思い込みです。「やる気の心理学」を正しく理解すれば、意志や努力の問題で悩まずに済むのです。

  1. 行動するからやる気が出る。
  2. 「できること、簡単なこと」から始めることで最初の一歩を踏み出す。
  3. タスクを小分けにし、実行⇒達成サイクルを作る。
  4. 結果のようなコントロールできないことではなく、プロセスで評価する。
  5. 「~すべき」、「~しなければならない」という「べき思考」を捨てる。
  6. 自分を脅迫することをやめる。罰ではなく報酬で自分を動かす。
  7. 要求水準を下げる。理想主義を捨てる。
  8. 実行しなくてもいい、お気軽計画を立てる。
  9. リラックスする。ゆっくり息を吐く。癒される情景をありありと思い浮かべる。
  10. 意志力は有限。使い切ったら休む。

是非気に入った方法から試してみて下さい。きっと役に立つはずです。

 

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