WEB学習♪『ビジネス実務法務検定3級』講座(第1回)ビジネス実務の法体系【1】

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はじめに

この連載記事は『ビジネス実務法務検定3級』に合格するための実践的なWEBテキストです。丁寧な解説を重視しています。わかりやすさは天下一品です!この連載記事だけを読めば、本屋さんで高価なテキストを購入しなくても無料でビジネス実務法務検定3級に合格できるように設計されています。当サイトを利用し、転職にも有利なビジネス実務法務検定3級を取得してみませんか?

さて、営業、人事、総務etc…。法務部に所属していなくても『ビジネス実務法務検定3級』は仕事をしていく上で非常に有用な資格です。筆者が社会人デビューした際、真っ先に取得を勧められた資格でもあります。

というのも法律を学ぶということは、法律に定められたルールを個々のケースに適用して実際の紛争・対立を解決する能力を身に着けることだからです。それだけではありません。法律の適用結果を前提とした行動をとる能力を養うことにもなるのです。このことは知らず知らずのうちに法律違反を犯してしまう愚を回避する力に直結します。さらに、ビジネス上の問題を経済合理性の視点からだけではなく、法的な視点からも評価・検討できるようになります。こうした能力はコンプライアンスを重視する現代において極めて有用なビジネススキルです。

尚、ビジネス実務法務検定は国家資格ではありませんが、東京商工会議所が主催している試験で、企業等における認知度も非常に高いです。

また、3級には受験資格はなく、受験料は4,200円です。試験はマークシート方式で試験時間は2時間です。100点満点中70点以上の得点で合格になります。

それでは早速、具体的な解説に入っていきましょう。

リスクとコンプライアンス

「リスク」も「コンプライアンス」も聞きなれた言葉ですね。今更、細かい定義をご説明差し上げる必要はないかと思います。

まずはリスクについて簡単に解説します。

企業が抱えるリスクは大地震などの災害や政変など様々なものがありますね。しかし、ビジネス法務が着目するリスクはそういった様々なリスクの中でも「法務リスク」と呼ばれるものです。例えば損害賠償なんかは典型的な法務リスクですね。

また最近、どの企業も血眼になって取り組んでいる代表的な法務リスクに情報漏洩リスクがありますね。

この言葉も皆さんご存じかとは思いますがこのような法務リスクを最小化する取り組みのことをリスクマネジメントと呼びます。

リスクマネジメントは下記のようなプロセスで実施します。

①リスクの洗い出しと明示化⇒②リスク分析⇒③リスク対策の実施⇒④施策効果の検証

コンプライアンスが「法令順守」を意味する言葉だということをご存じない方はいらっしゃらないかと思います。では主な「法令」とは具体的には何でしょうか。

答えは「法律、政令、省令、条例」です。

CSR

CSRとはCorporate Social Responsibility(コーポレート・ソーシャル・リスポンシビリティ)の略語で「企業の社会的責任」のことです。これもご存じの方は多いと思います。

CSRの背景には「企業市民」という理念があります。要は企業は利潤追求だけがその存在意義ではなく、良き市民でもあるという考え方です。企業は様々な権利を行使できるわけですから、逆の見方をすれば「義務」も負うということです。

代表的なCSR活動としては環境保全活動などを挙げることができます。

民法とは

企業法務の基礎「民法」です。さらに言えば民法は法学の基礎でもあります。言い換えれば民法の理解は商法や労働法といった企業法務上重要な法律を学ぶ上での大切な基礎です。

民法は1024条からなる法体系です。民法を一言で表せば自由の思想に基づいた市民社会のルールと表現できます。

このことをビジネス実務法務的に言い換えれば民法とは「個人と個人」、「個人と企業」、「企業と企業」といったそれぞれの関係性における取引の根本を成す原則を定めた法律です。

「個人と個人」、「個人と企業」、「企業と企業」のような関係を私人間と言います。

つまり民法は私人間の取引の原則的なルールを定めた法律なのです。

民法は財産法と家族法(身分法)の2つに大別することができます。ビジネス実務法務検定に出題されるのは民法の財産法の部分です。

財産法とは民法の中で所有や売買、賃貸借などの財産関係を規律する部分のことです。

さらに財産法は物権法債権法に分類されます。

民法の4原則と民法の考え方

民法には4つの原則があります。権利能力平等の原則私的自治の原則所有権絶対の原則過失責任主義の4つです。これらの原則について一つ一つ説明していきましょう。

権利能力平等の原則

先ずは「権利能力」という用語について理解しましょう。権利能力とは簡単に言えば取引の主体となれる能力です。

しかし例外もあります。例えば、3歳の子供はまだ判断能力に乏しく、もしその子が不動産屋さんから土地を購入しても、そもそも権利能力に問題があるのでその取引は無効にすることができます。

権利能力平等の原則とは全て個人が権利の主体として平等に扱われるという原則です。ですが上記のように権利能力にも一定の制限があります。

私的自治の原則

私的自治の原則とは私人間の契約などの取り決めには原則、国家は干渉しないという原則です。しかしこの原則にももちろん例外はあります。

これに付随して、契約自由の原則というものもあります。要は、契約をするかしないか、誰と契約をするか、どんな契約をするか等は権利主体の自由であるという原則です。

所有権絶対の原則

所有権は他者や国家によって絶対に制限されない。という原則です。しかしこの原則にももちろん例外はあります。その例外というのが「公共の福祉」です。いくら所有権は絶対!と言っても公共の福祉に反する場合は所有権を制限される場合があります。

過失責任主義

過失」とは「落ち度」のことです。故意にあえて悪いことをすれば責任を問われますが、故意ではなく、かつ落ち度もない場合(これを善意無過失と呼びます)、責任を問われることはないという原則です。

民法の分類

民法は私法の一般法です。法律には公法私法の2種類があります。国との関係で制定される法律を公法、私人間の関係を規定する法律を私法と呼びます。憲法は代表的な公法ですね。では商法はどちらでしょうか。これは私人間のルールを定めたものですから私法に分類されます。

同じ私法である民法と商法ですが、民法は広く一般のルールを定めているので一般法に分類されます。一方、商法は私人と言っても商人間の関係に限定した法律なので特別法と呼ばれます。

[start_point]民法は私法の一般法!商法は私法の特別法![end_point]

民法の役割

民法の4原則のところで私的自治の原則というのがありましたね。市民は自由に契約を結んでOK!という原則です。しかしもし契約に曖昧なところがあったり、契約トラブルが起きた場合どうすればいいでしょう。紛争が起こったり、誰かが不当に損をしてしまいます。このような契約関係の問題を解決するために民法を補助的に用いるのです。これが民法の役割ですね。

民法の規定の分類

民法には任意規定と強行規定の2種類があります。任意規定とは当事者同士が民法の規定と異なる特約を結んだ場合、その特約が優先するような規定のことです。ある契約に適用されるべき民法の条文はそれが任意規定であれば特約によってその条文を排除できてしまうということです。

逆に当事者の自由な意思によって特約をもって排除できない民法の規定を強行規定と呼びます。例えば「13歳だけど結婚したい」という2人がいても、婚姻の年齢に関する規定は強硬規定なので、これを破ることはできません。また愛人契約なども公序良俗に反するため無効です。このよに強行規定は公の秩序に関する規定であり、これを当事者の特約によって排除することはできません。

財産法とは

上のほうで民法は財産法パートと家族法(身分法)パートに分類できるというお話をしましたね。そして財産法は物権と債権から構成されているのでした。

物権法とは人と物(ぶつ)との関係を規定する法律です。例えば筆者はパソコンを所有しています。こういう関係が物権法の対象です。

債権法とは人と人との関係です。例えば、筆者が友人に1,000円借りていたとします。このような関係を規定するのが債権法です。この場合、筆者は友人に1,000円を返す義務があります。これを債務と言います。逆に友人は筆者に1,000円を請求できますよね。これを債権と呼びます。

ちなみに契約も債権法の扱う事柄です。契約とは人と人との間の法的な約束のことですからね。そして契約によってはじめて債権が発生します。

おわりに

以上でWEB学習♪『ビジネス実務法務検定3級』講座(第1回)ビジネス実務の法体系【1】を終わりにしたいと思います。

本講座は連載記事ですので、次回のWEB学習♪『ビジネス実務法務検定3級』講座(第2回)ビジネス実務の法体系【2】もどうぞ宜しくお願い申し上げます。