【現役ADHD患者がやさしく解説!】「大人のADHDの主な症状とコンサータ/ストラテラ等の薬物治療について」


はじめに

僕はいっかいのADHD患者であって、発達障害の専門家ではありません。もちろん医療従事者でもありません。従って、僕が書きあげたこの記事は、必ずしも客観的で正確性の高いものではないかもしれません。

なので、このブログ記事はあくまで参考程度にお読みいただけますと幸いでございます。

逆にこの記事の良い点は、現役のADHD患者によって書かれている点です。身をもって「ADHDとはなんぞや?」ということを体験し、理解しているので、そうした視点から書かれたADHDの記事は、専門家の書いたテキストとはまた違った意味で読者様のお役に立つのではないかと密かに期待しております。

大人のADHDには極めて厄介な部分が3つある!?

大人のADHDには非常に厄介極まりない性質が3つあります。

  • ① 大人のADHDは発見されにくい!
    ② 大人のADHDはうつ病を併発しやすい!
    ③ 大人のADHDは原則として根治させることはできない!

以上の3点について順を追って、詳しく解説していきますね。

大人のADHDは発見されにくい!

大人のADHDは発見さえできれば、良い治療薬がたくさん出ていますので、比較的簡単に、症状を軽減させることができます。しかし、「自分自身がADHDであること」に気が付かないまま、社会生活の中で、ADHDの症状に苦しまされているケースが非常に多いのです。

その理由は2つあります。

1つは大人になるにつれてADHDの症状が少し改善し、周囲からは「ちょっと変わった人」とか「独創的な人」と認識されるからです。また本当はADHDなのだけれども、「まさか自分に《ADHD》なんて当てはまらないよー」と本人も考えているケースが少なくないからです。実際に僕も、ADHDという言葉は知っていたけれども、20代後半になるまでは、自分がADHDだなんて夢にも思いませんでした。

2つ目の理由は、ADHD等の発達障害を診断できる精神科医が圧倒的に不足している点にあります。うつ病や神経症で心療内科や精神科にかかっても、背後に潜む、ADHD等の発達障害は見過ごされやすいのです。実際に僕の場合も、うつ病で精神科にかかってから、ADHDが発見されるまでに、3,4回、主治医も変わっていますし、なにより5年以上の期間を要しました。たまたま発達障害に詳しい精神科医が主治医になったことで、自閉症スペクトラム(発達障害の一分類、自閉症スペクトラムでかつアスペルガーであるとか、自閉症スペクトラムでかつADHDであるといった場合がある)の検査をしてもらい、はじめてADHDが発覚しました。

このようにADHDは【発見】が難しいのです。厄介ですね!

ADHDとうつ病の関係

大人のADHDに限ったことではありませんが、ADHDとうつ病等の気分障害は一般に併発しやすいと言われています。

ADHDとうつ病を併発している場合、ADHDを一次障害、うつ病を二次障害と位置づけます。僕の場合、残念ながらADHDとうつ病を同時に患っているのが現状です。

ADHDは原則として根治しない

現段階の医学では、風邪や胃潰瘍のようにADHDを根治させることはできません。

しかし、だからといって落胆する必要はありません。ADHDの症状を強力に抑える良薬が2つあります。コンサータ(メチルフェニデート塩酸塩)とストラテラがそれです。これらの薬を服用しつつ、ADHDの特性をよく理解し、具体的な問題解決策を実行していくことで、ADHDの脅威を限りなく小さくすることができます。

尚、ADHDに対する薬物治療の体験記を下の方に掲載しておりますので、ご興味がある方はご参考にされてはいかがでしょうか。

ADHDと経済とニートと勉強

ADHDと仕事や経済、ADHDとニート、ADHDと大学受験はそれぞれ深い関係にあります。以下、順を追って、これらの関係性について解説していきますね。

ADHDと仕事・経済の関係

既にADHDと診断されているか否かに関わらず、実質的にADHDを持っていれば、その症状は、自覚的にせよ、無自覚的にせよ、学校や職場への適応能力を下げる原因になります。

学校ではADHDによる環境適応に支障が無くとも、職場という学校よりも大幅に厳しい環境であれば、ADHDの症状のせいで「仕事がうまくいかない」/「転職を繰り返してしまう」といった困難に直面する確率はけっして低くありません。

仕事は経済事情に直結するものなので、ADHDのせいで仕事上のなんらかの困難を抱えており、収入が不安定になってしまうリスクもけっして低くありません。その場合、専門医の適切な治療を受けることが収入を安定させる近道になります。

またADHDの治療薬は薬価が高いので、自立支援医療等の公的な支援サービスを利用して、医療費を節約することも重要になってきます。

ADHDとニートの関係-支援機関を活用しては?

ADHDはうつ病を併発しやすく、例えうつ病を併発していなくても、ADHDというだけで、学校や職場などの社会生活にハンディを背負っていることになります。そうした病気故の「生きづらさ」から、やむを得ず、「ニート状態」に陥ってしまうケースも考えられます。

もしADHDや、それに伴う二次的な精神疾患が原因で、ニート状態になってしまった場合、「悪循環」に陥りがちです。「働くべきだ!」という自責の念と、「でも仕事に就く勇気がでない!」という自信の低下によって、「社会復帰したくても、なかなかできない、でも、このままじゃ、やばい!でも、できない…」という戦々恐々とした気持ちで日々を過ごす状態に陥ってしまっている方もいらっしゃるかもしれません。

その場合、専門医による適切な治療を受けることが一番大切です。

次に大切なのは、もちろん主治医が「そろそろ少しくらいならば働いてもOKよ!」と言ってくれる場合に限りますが、支援機関を利用したリハビリをすることです。

具体的には、就労支援移行事業所A型/就労支援移行事業所B型を利用して、社会復帰のための準備を進めることになります。就労支援移行事業を利用するために、障がい者手帳を取得しておくのも良い対策です。

就労支援移行事業所B型とは、就労に向けて必要な基礎的な訓練や精神的なサポートをしてくれる国の事業で、様々な個性を持った、就労支援移行事業所B型があります。ADHDなど発達障害を抱えている人を専門に受け入れている就労支援移行事業所B型もあります。ここに1年~2年程度、通所することで、生活リズムを整え、基礎的なビジネス知識を習得し、主に障がい者雇用での就労を目指します。

就労支援移行事業所A型とはB型とは異なり、お給料をもらいながら、データ入力等の軽作業を行うものです。その目的はB型と同じで、最終的に、「就業すること」を支援することです。すぐにある程度の収入を確保したい場合や、お金が貰える方がモチベーションアップにつながりやすい方ならば、就労支援移行事業所A型の利用を検討します。就労支援移行事業所A型を運営している組織によって、かなり個性にばらつきがあり、週3日1日5時間程度の時短勤務から入ることができる事業所もあります。

ADHDとニート問題が絡み合ってしまっている場合には、このように、専門医による治療と、支援機関を利用したリハビリを行うことで、社会性の回復を目指す作戦が最も合理的です。

ADHDと大学受験の関係-薬物療法で解決できます!

ADHD的な性質は学業に支障をきたしがちです。この点に関しては、薬物療法で8割は解決できると思われます。

大人のADHDの代表的な症状5選

1、退学・転職・失業・離婚をしやすい

大人のADHDの症状として、学生であれば「退学(中退)」、社会人であれば「転職を繰り返しやすかったり、失業しやすい」といった傾向があります。既婚者であれば離婚が多いことも知られています。これらの問題は、ADHDが故に学校・職場・夫婦生活に適応しずらいことから生じます。ニート状態に陥りやすいとも言い換えられますね。

2、集中できない

大人のADHDの症状として、「持続的に1つのことに集中し続けることが困難」という問題を抱える方は少なくないでしょう。また、このことは、ちょっとした刺激に気を取られやすいとも言い換えられます。この症状は、学業面では大きなマイナスになってしまいます。集中力は勉強にとって非常に重要なファクターですからね。また経理などの事務仕事でも大きな足かせになってしまいます。

3、計画性の欠如

計画的にタスクをこなせないというのもADHDの代表的な症状です。優先順位付けがうまくできなかったり、他者との役割分担が苦手だったりします。

4、ヒアリングが苦手

ADHDを患っていると、人の話にじっくりと耳を傾けるのが苦手な方も多いようです。コミュニケーションにおいて、最も重要なことは「うまく話すこと」ではなく「うまく聞く能力」です。そのため、コミュニケーションを円滑に進めることができず、信頼を得ることが難しくなってしまう場合も考えられます。また指示をちゃんと聞かずに仕事にとりかかってしまうような場合、仕事をきちんとこなせない原因になってしまいます。

5、飽きっぽい/セルフコントロールが苦手

飽きっぽい性質は、仕事や勉強を最後までやり遂げることの大きな妨げになってしまいます。またコツコツと単純作業をするのがとても苦手という結果につながりやすいです。一方、セルフコントロールが苦手な場合、衝動買いやアルコール/ギャンブル等への依存症の原因になってしまいます。

ADHDの原理と特色

ADHDはけっして珍しいものではありません。ある研究によれば、ADHDの有病率は5%前後と言われています。40人のクラスがあれば、2人はADHDを抱えている計算になります。

またADHDは先天性の脳機能の障害です。ADHDの生物学的な原因に関して、まだ確かなことは分かっていませんが、神経伝達物質のドパミンの働きが深く関わっていると推測されています。具体的には、神経細胞中のドパミン濃度が低くなってしまっているのではないかと言われています。その原因は、ドパミントランスポーター(一旦、神経細胞中に放出されたドパミンを神経細胞内に取り込む機構)が必要以上に活発に機能してしまい、結果的に神経細胞中のドパミン濃度が過剰に低下してしまうためだと考えられています。

またADHDはうつ病等のように後天的な要因から罹患するものではありません。

ADHDの症状が社会生活に支障をきたすタイミングは様々です。小学生のときから問題となることもあれば、大学進学後や就職後に問題が顕在化するケースもあります。また、ADHDは発達障害の一種です。その他の発達障害として、自閉症スペクトラム障害(ASD)・アスペルガー障害・学習障害(LD)等が挙げられます。ADHDとこれらの発達障害は併存していることもあります。

例として、ADHDとアスペルガーを同時に発症していたり、ADHDと学習障害が併存している場合等が挙げられます。さらに、ADHDの二次障害として合併を起こしやすい疾患にうつ病、不安障害、強迫性障害、薬物依存等があります。

このような合併症を起こしている場合、うつ病などの二次障害だけを治療しても、根本的な問題解決にはなりません。ADHDそのものの改善治療とうつ病などの二次障害の治療を総合的に受ける必要があります。

ADHDという診断に至るまでの道のり

僕の場合は、WAIS(ウェイス)と呼ばれる心理検査を受けた結果、先ず最初に、自閉症スペクトラム障害が発覚しました。WAISは保険内で受けることができる検査です。WAIS検査には6時間程度の時間がかかります。

具体的には、臨床心理士の方とマンツマーマンで、行います。図形問題を解いたり、「絶対王政とはどういう意味か?」等と、概念の説明を口頭でしたり、「インクの染みが何に見えるか?」といったことに答えたりする感じの検査です。

この検査に付随してADHDかどうかを調べる問診も実施され、これらの検査結果と主治医の総合的な判断でADHDという診断が確定しました。

大人のADHDの薬物治療体験記1:ストラテラ

ストラテラとは神経伝達物質の「ノルアドレナリン」量を増やすお薬です。投与開始から、2週間~8週間程度で効果を発揮します。

結論から申し上げますと、ストラテラは僕の場合、全く効きませんでした。投与可能なMAX量まで投与しましたが、胃腸に強い負担がかかるばかりで、ADHDの改善には何の効果もありませんでした。人によってはすごくよく効く方も少なくないようです。

尚、ストラテラの副作用で一番辛かったのは「感性の麻痺」です。「感受性の麻痺」と言い換えてもいいかもしれません。絵画や自然、数式等を眺めて「美しい!」と感動する心が、これでもかというほど無くなりました。

無感動な感じになってしまったわけですね。ストラテラの服用を中止したらすぐに元に戻りました。

大人のADHDの薬物治療体験記2:コンサータ(メチルフェニデート塩酸塩)

コンサータ(メチルフェニデート塩酸塩)は、中枢神経刺激薬です。神経伝達物質のドパミンの再吸収を妨害することで、結果的に、神経細胞内のドパミン濃度を高めるお薬です。投与開始から約90分で効果が表れ、12時間程度、薬効が持続します。

結論から申しますと、コンサータは僕にとって、救世主となりました。コンサータが作用している12時間の間はADHDの症状が99%消失します。

集中力が爆発的に高まり、多動性が消え、衝動性も消えてなくなります。ガチで素晴らしい薬です。

と、こんな風に僕にはめっちゃ効くコンサータ先生ですが、友人でADHDを患っている知り合いは、コンサータを飲んでも「全く何も起きない」そうです。

薬の効き目は体質との兼ね合いなのか、本当に千差万別ですね。

おわりに

ADHD患者の視点から、ADHDに関する知識や体験談を書いて参りました。繰り返しにはなりますがあくまで個人的意見であって、専門家のレポートではないので、参考程度にご活用いただけますと幸いでございます。尚、ご質問などございましたらご遠慮なくコメント欄にお書きくださいませ。なるはやでご返信差し上げます。
末筆ではございますが、読者様ならびに読者様のご家族のご健康を心より祈念申し上げます。

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