超わかる!大学受験現代文講義【1】


超わかる!大学受験現代文講義【第1回】

オリンエンテーション

こんにちは!大学受験現代文講義シリーズを執筆させていただく鹿丸です!語り口調で超わかりやすく解説して参りますので、ご期待いただければと思います。

さて、現代文で得点するために求められるのは漢字問題を除けば、原則的に「論理的思考力」の有無だけです。しかし、残念ながら少なくとも私が高校生の時分、学校の国語の先生も予備校の先生も論理的に文章を読む方法をほとんど教えてくれませんでした。

実は、論理的に現代文を読解するスキルは短期間で誰でも簡単に習得できるんです。そして現代文で得点するのに求められるのは論理的思考力のみですから、どんな人でも短い勉強時間で容易に得点力を伸ばすことができます。それが現代文の「おいしいところ」です。

論理的思考力を身に着けるには、たくさん本を読む必要もありませんし、受験現代文に頻繁に登場する語句(例えば「形而上(けいじじょう)」とか)を覚える必要もありません。やるべきことは「論理そのものの勉強」だけです。

論理とは何か

「論理とは何か」と問うことは「生物とは何か」とか「正義とは何か」等という問いと一緒で、容易に答えがでるものではありません。事実、世界中の学者が「論理」の正体を探るべく、現在進行形で研究しています。

しかし、「論理って何かさっぱり分からないんだ!」と言い切ってしまっては身も蓋もないので、暫定的に「論理ってなんとなくこんな感じのもの!」という回答をしてみたいと思います。

論理とは関係性です。よく現代文の先生に「行間を読め!」と指導されることはありませんか?

行間というのは行と行の関係性のことです。行は文で成り立っていますから、要は文と文の関係性こそが大学受験現代文における論理の正体です

現代文を「論理的に読解すること」とは文と文の関係性を明らかにしながら文章を読むことに他なりません。

この講義では先ず短い文章の中に潜む文と文の間の関係性を理解するトレーニングをしたいと思います。

最初の読解

それでは早速、文章の論理的な読解法を学んでいきましょう。最初の文章はこちら!

補足

【例題1】今日は暑い。しかし外出しようと思う。

なんと短い文章なんでしょう!たったの2文しかありません。しかし、この文章を正しく論理的に読み解くことができるでしょうか!?

皆さんご存じの通り、「しかし」は逆説の接続詞です。「逆説」というくらいですから、何かと何かが逆の関係にあるはずです。

では何と何が逆なのでしょうか。最初に言えることは「暑い」と「外出しようと思う」は逆の関係ではないということです。「暑い」の逆は「涼しい」ですし、「外出する」の反対は「外出しない」ですよね。

結論から申し上げますと、この2文において、逆の関係にあるのは「外出しない」と「外出する」なんです

どういうことかというと、「今日は暑い(⇒ということは【外出しない】)」と「外出する」逆のの関係にあると言いたいのです。

「今日は暑い(⇒ということは外出しない)」という部分がミソです。「暑いならば外出しないであろう」という推論の部分と「外出しようと思う。」という第2文が逆の関係にあるのです。

「しかし」とか「だが」といった逆説の接続詞が2つの文をつないでいるとき、必ず明確な逆の関係を見つけることができます。どんなに複雑で小難しい文章でも必ずです

しかし、この短い2文からも分かる通り、しばしば逆の関係は隠されており推論によって逆の関係を発見する必要に迫られます。

このように、文Aと文Bの関係性を明確化することこそ論理的に文章を読むということなのです。

推論を利用して逆の関係を見つける練習。もう少ししてみましょう!

補足

【例題2】「自然と共生」という価値とゾーニングという作業は、ここでは矛盾するものと考えられていない。むしろ、共生はゾーニングによって可能であるという発想さえみられる。しかし、私はこの考えに重大な疑問をもつ。[成城大学・文](出典:『環境の哲学』桑子 敏雄著)

例えば「今日は晴天だ。しかしやる気が起きない。」という2文であれば、まず最初に「やる気が起きない」に着目します。つまり「しかし」の後の文に最初に注目するわけです。そして、「やる気が起きない」の反対は「やる気満々」ですから、「晴天ならばやる気に満ち溢れているはずだ」という推論の「やる気がある」という意味合いと「やる気がない」という、しかし以降の第2文が逆の関係にあることが分かります。

同じ要領で、例題2の「しかし」以降の文を観察してみると「私はこの考えに重大な疑問を持つ」とあります。要は「この考え」には「私は反対だよ」という意味合いですよね。

ということは「私は反対だ!」の逆は「みんなは賛成だ!」ですから、「【自然と共生という価値】と【ゾーニングという作業】はここでは矛盾しないと考えられている(⇒この2つが矛盾しないとされていることにみんなは賛成だ)」と「私はそれに大反対だ!」が逆の関係にあることが分かります。

言い換えれば「AとBは矛盾しない。むしろAはBによって可能である。AとBが矛盾しないことにみんなはなんら疑問はないのかもしれん!」と「AとBは矛盾しない。むしろAはBによって可能である。という考えに俺はめっちゃ疑問あるし!。AとBは矛盾するに決まってるし!」が逆のの関係にあるとも言えます。

要は「しかし」以降の文に「私は重大な疑問あり!」と書いているわけですから、「しかし」以前の文の中には必ず「みんなは、なんら疑問を持たない!」という逆の意味合いが含まれている筈ですよね?反対の視点から見れば、しかし以前の文に「矛盾はない」と書いてあるわけですから、しかし以降の文の中には必ず「矛盾がある」という逆の意味合いが含まれているのです。

つまり「私は」と「みんなは」、そして「疑問あり」と「疑問なし」がそれぞれ逆の関係にあるというわけです。さらに言えば「矛盾なし」と「矛盾あり」も逆の関係にありますね。

このように何と何が逆の関係であるが故に「しかし」という接続詞が使われているのかを明確化することこそ大切です。

理解を助けるために例題2の文章をものすごく平たく書き直してみましょう。その前に、【「自然と共生」という価値】と置きます。さらに【ゾーニングという作業】と置きます。その上で例題2を書き直すと「みんなは、AとBは矛盾しない。むしろAはBのおかげで可能になるとすら考えている。みんなはこの考えに大賛成なのだろう。しかし私はこの考えに大反対だ。従って私はAとBは矛盾するものだと思っている。故にAがBのおかげで実現するなんて馬鹿げたことは絶対にあり得ないね!私はそう思うよ!」という感じになりますね。

ちなみに、この文章の論理を読み解くにあたって「自然と共生」とか「ゾーニングという作業」という言葉の意味を理解する必要は一切ありません。これっぽっちもありません!

このように言葉の意味は論理構造とはなんの関係もありません。これらの一見すると、その意味が重要そうな言葉をAやBに置き換えても正答して得点する上で、なんら不都合はありません。

重要なのは、AとBの関係性であって、AやBの具体的な意味ではけっしてありません!

このように論理的に文章を読解するには「問題文中には直接的に書かれていないこと」を読み取る必要があります。

例えば下記の例文を見て下さい。

補足

【例題3】メジペジエはアルマンデスの文脈において、けっして避けることはできない。文①しかし、私達はメジペジエを回避する必要に迫られている。文②

補足&ポイント

論理的に文章を読む上で言葉の意味を知る必要はほとんどない!

メジペジエやアルマンデスという単語の意味は分からなくてOKです。っていうか、わたくし鹿丸もこの2つの単語の意味はさっぱりわかりません。だって鹿丸が適当に思いつきで作った謎の言葉ですからね!

では【例題3】において、「問題文中には直接的に書かれていないこと」はどんなことでしょうか?

「メジペジエ」をA、「アルマンデス」をBと置いて考えてみましょう。

「AはBの文脈においてけっして避けることができない」なるほど。要は、Aは避けることができない。という意味合いですね。ということは「Aを避ける必要はない」という隠れた関係が見えてきませんか?

第一文を隠れた関係をあえて明示して書き直すとこんな感じになります。

Aを避けることができないし、Aを避ける必要もない

Aを避ける必要もない」という部分が第一文に隠されていたもの。つまり「問題文中に直接的に書かれていないこと」ですよね。では鹿丸はどうやって「隠し言葉」を発見したのでしょうか。

それは簡単です。第二文に「しかし(逆の関係を表す接続詞)、私達はAを回避する必要に迫られている」と書いてあるわけですよね。

で、「文①しかし文②」とあったら、文②に書いてあることの真逆の言葉が文①に含まれているはずですし、反対に、文①に書いてあることの正反対の言葉が文②に書いてあるはずです。文①と文②は、間違いなく、正真正銘の逆説の接続詞「しかし」によって連結されているわけですからね

補足

【例題3】メジペジエはアルマンデスの文脈において、けっして避けることはできない。文①しかし、私達はメジペジエを回避する必要に迫られている。文②

うんでもって、文②には「Aを避ける必要あり!」って書いてあるので、文①にはその反対の「Aを避ける必要なんてないよー」が具体的に文①の中に明記されているかどうかに関わらず、文①に含まれているんです。

従って、この例題3の中に登場する「しかし」が表す逆の関係は、

「Aを避ける必要なし」⇔「Aを避ける必要あり」

「Aは避けられない」⇔「Aは避けられる」

の2つの関係なのでした。

ということで、これらの隠された言葉を補いつつ、わかかりやすい表現で例題3を書き直してみたいと思います。

補足

【例題3】メジペジエはアルマンデスの文脈において、けっして避けることはできない。文①しかし、私達はメジペジエを回避する必要に迫られている。文②

メジペジエはアルマンデスの文脈において、もうマジ絶対にどうやったって、避けることができないんですよ。そもそもメジペジエを避ける必要性なんて1mmもないんですよ。しかーーし!ところがどっこい!メジペジエを避けることって実はできちゃうんです。だってメジペジエを避けることがガチで必要なんだもん♪

この例題3をわかりやすい文章への書き換える際に、例題3の文章の中には明示的に書き込まれていなかった部分、すなわち、「隠された言葉」は紫色に着色しておきました。

以上で「超わかる!大学受験現代文講義【1】」を終わりにしたいと思います!!ここまで、読んで下さった方、本当にありがとうございます!

まとめ

補足&ポイント

論理的に文章を読めば現代文で面白いほど簡単に得点できる。論理的読解とは文と文との関係性を明らかにする作業である。そして、しばしば本文中には直接、明示的に書かれていない「隠された言葉」が存在するので、それらを発見しなくてはいけない。関係性を明確化することは、隠された言葉を見つけ出す作業を含む。尚、本文中の単語の意味に対する理解と論理的読解の間にはほとんどなんの関係もない。従って、不明語がたくさんあったとしても、論理的に現代文を読み解き、知識問題以外の設問に全て正答することは容易である。

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