ストレス対策の教科書【2】「無気力/やる気がでない」への対処法


無気力や「やる気がでない」という状況は本人にとって、とてもストレスです。ストレス対策の教科書【2】では、こうした「意欲がどうしてもでない」という問題の解決策を提案します。強力で効果的な方法をご紹介します。

やる気がでない原因

やる気がでない理由はそう多くはありません。主な無気力の原因を以下に列挙します。

【見積もりの誤り】
【感情的決めつけ】
【意志力の枯渇】
【目標が妥当ではない】

それぞれの原因別に対処法を見ていきましょう。尚、やる気がでない原因は、この4つのどれか1つの場合もあれば、4つのうち2つか3つが折り重ねって、辛い無気力感を産み出しているケースもあります。

見積もりの誤りへの対処法

人間は何かをしようと考えるときに、必ず未来を想像します。例えば、「これから散歩に出かけようか」と考える場合、無意識に散歩している情景を想像します。

この想像の段階で、現実的な思考ができていないために、やる気がでないのが「見積もりの誤り」です。

では、なんの見積もりを誤っているのでしょうか。

それは、「その行動をすることの心理的負担」と、「その行動から得られる満足度」の2つについての見積もりです。

見積もりの誤りを修正するのは簡単です。簡易的な実験をすればいいのです。実験をすることは無気力に対処するのに極めて有効です。

ここでは皿洗いを先送りにしているケースで実験のケーススタディーをしてみましょう。

まず皿洗いをする心理的負担と皿洗いを達成したときに得られる満足度の予想を100点満点で紙に書きます。
皿洗いをすることの心理的負担の予想:60点
皿洗いを終えたときの満足度の予想:30点

上記の予想をご覧になればすぐ分かると思いますが、60点の心理的負担があり、30点の満足度しかなければ、やる気がおきないのは当然のことです。予想の段階で、収支が合わないわけです。赤字になることが明白ですから、当然意欲はわいてきません。

そこで簡単な実験をします。10分間で構わないので、実際に皿洗いをしてみて、そのときの心理的負担の実績と満足度の実績を100点満点で評価してみるのです。

10分間ほど皿洗いをした結果以下のような結果がでました。

皿洗いをすることの心理的負担の予想:60点
皿洗いを終えたときの満足度の予想:30点
皿洗いをすることの心理的負担の実績:10点
皿洗いをすることの満足度の実績:70点

どうでしょうか。これは適当な値を書いたのではなく実は筆者自身で実験した際の記録です。明らかに予想(つまり見積もり)は誤っています。

こうした実験を繰り返すことで、誤った予想が徐々に減っていくというわけです。

この方法は資格試験の勉強などにも応用できます。

例えばこんな感じです。

試験勉強を15分してみることの心理的負担の予想:90点
試験勉強を15分してみることの満足度の予想:35点
試験勉強を15分してみた結果の心理的負担の実績:30点
試験勉強を15分してみた結果の満足度の実績:85点

こんな風に、これから取り組みたい行動を10分~30分くらいで終わらせることのできる小さな実験に落とし込みます。そして、自分の見積もりが本当に現実的なものか実験してみるのです。

実験を繰り返すうちに、無気力感の元凶である見積もりの誤りは減っていき、そのうち意識しなくてもより現実的な予測を立てることができるようになるというわけです。

感情的決めつけへの対処法

感情的決めつけとは「こんなにやる気がしないのだから、きっと自分には実行できないのだ」とか「こんなに無気力なのだから、ボーっとテレビを見てるしかないんだ」という思考です。

しかし、感情的決めつけについて、忘れてはいけないことが3つあります。

1、 見積もりの誤りへの対処法で学んだ通り、「やる気がしない」という気分は、その行動を実行する場面を予測して、非現実的な予測を立てているから起こるものであって、「本当にやる気がしないわけではない」。つまり、非現実的な思考から生じる非現実的な気分として意欲が出ないのであって、その気分は偽物の気分※にすぎない可能性がある。

※一般に、非現実的な思考を真実だと信じ込むと、その誤った思考から、実際とは異なる偽物の気分が生じる。しかし、いくら妥当性のない偽物の気分でも本人にはリアルな気分として感じられる。

2、 意欲が先か。それとも行動が先か。神経生理学的にいって行動が先である。すなわち、行動するから意欲がでるのであってその逆ではない。

3、 気分感情はそもそも状況が悪いことの根拠にはならない。不安であっても安全で心配する必要がないケースはたくさんある。同様にやる気がサッパリでないからといって、行動できないとは限らない。

これら3つの知見から言えることはたった1つです。
「ちょっとだけやる気を出して実際に取り組んでみれば大抵のことはたいしたことではないのだ」

 

意志力の枯渇の対処法

一般に意志力とは筋肉のようなもので、有限だと言われています。ですから有限な意志力を使い果たしてしまった場合は意志力を回復させるしかありません。意志力の回復は睡眠によって簡単に実現できます。昼寝でもすれば気力が戻ってきますよ。

目標が妥当ではない場合の対処法

目標が高すぎると、それがプレッシャーになって皮肉にもやる気を奪ってしまいます。その場合は目標を下げるのが効果的です。

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